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都錦(みやこにしき)
上野清江(イラスト)?
京 都: 本田市次郎、明治32年(1899)
著名なデザイナーであり芸術家でもあった上野清江(1871-1943)が所有していた、作者不詳の独創的な図案集。版画の版木は木下祐之助が彫り、石松石花華が刷ったもので、本田市次郎(芸艸堂の創始者)が出版し、Chōseidōが販売した。これらの版画が出版された同じ年に、本田市次郎は、上野清江のデザインによる着物シリーズ『清江模様百首』を出版した。清光御用百首」の版画の多くには、余白に明治32年4月(1899年)という奥付があり、「都錦」の版画には、その2カ月前の明治32年2月(1899年)という日付が記されている。宮古錦の作者、あるいは作者の一人が清江である可能性はありそうだ。このことは、OCLCで追跡された2部(1部はUCSB図書館、もう1部は日本のNDLに所蔵されている)のうちの1部、すなわちNDL版では、『清江百首』と『都錦』が1冊にまとめられていることからも裏付けられる。NDL版には宮古錦の版画が9点掲載されているが、この版画と重なるのは5点だけである。宮古錦(および聖光模写百首)の版画にはそれぞれ奥付があることから(また、NDL版と本書の版画は異なっていることから)、これらの版画は一冊の本としてではなく、おそらく定期購読シリーズとして個別に出版された可能性がある。本書には、清江の旧蔵書印と蔵書印がある。清江は明治期に芸艸堂や雲錦堂と密接に仕事をし、『雨の羽衣』『花の影』『八千草』『子規慕情』『都の光』など多くの重要な作品の挿絵を描いている。極めて希少な全集であり、優れた出所もある。
21枚の両面刷りが1冊の画帖に収められている。上部に元所有者印と清江の私蔵シール。函に汚れ、変色、シミ。背に欠損、本文固め。版画に軽い折れ、跡、オフセット、褐色。メタリック顔料にわずかな酸化。ガターに時折破れ。[21の番号なしダブルページイラスト]。24.8 x 18 cm。